【英語】アルク通信講座の販売休止から見えてきたこと
・はじめに(アルク通信講座終了は青天の霹靂)
私は、アルクのファンである。
45歳で「アルクTOEIC L&R 700点完全攻略コース」を皮切りに、「800点」「900点」とステップアップ。肝心のTOEICスコア自体は、自己ベスト760点止まりであるものの、48歳で目標730点以上を獲得したことは「アルク教材のおかげ」と思っている。
自分の英語学習ブログでも、事あるごとに「アルク通信講座」を進めてきた。
勤務する会社が「アルク講座」の補助金サービス(成績が一定以上であれば、受講料の半分を還付)があったので、「アルク一択」であった。
また、アルク教材を使って英語力を爆上げさせた「利用者の声」も参考になった。
「英語教材といえばアルクであることが後押しした」というコメントに大いに納得したものである。
それなのに、なぜ故、アルク通信講座終了なのか?
今回の休止劇から、英語教材との距離の置き方が見えてきたものがある。
英語資格学習者の参考になると思われるので、以下、深掘りする。
1.アルク通信販売は「スタサプ」に負けた?
「通信講座市場が縮小していくなか、テキストと音声によるスタイルの持続が困難になった」
アルク側が、通信販売の休止に至る理由である。
しかし、これは少し無責任ではないか?
市場規模が縮小したら、イノベーション(工夫)で、乗り切ることはしなかったのだろうか?
繰り返すが、私の会社では「アルク講座」の割引制度があった。
それにもかかわらず、若い社員は、「アルク」ではなく、身銭を切って「スタディサプリ」でTOEIC対策をしている人が多かった。
つまり「アルク」は「スタサプ」に負けたのである。
スタサプの魅力は、スマホがあればどこでも勉強が可能な、デジタル・ディバイスに強みを持つこと。さらに、(アルクに比べて)安い料金、コストパフォーマンスに優れている。
アルクも、デジタル化に手をこまねいていたわでもなく、「テストコ」というアプリを使って、デジタル・ディバイス化を模索していた。
教育教材にとって、安易なバーゲンセールは禁物である。
おそらくアルク側が、「社員割引」のようなビジネス展開を広げたたため、結局、「損して得とれ」というビジネスの鉄則を逸脱したのではないか。
とかく、コンテンツ力がシビアに試される「教育産業」ではなおさらのことである。
利用者は、半額還付サービス制度に、ある種の「うさん臭さ」をかぎ取っていたのではないか?
2.アルクの言い分では「NHKラジオ英語」も淘汰されているはず?
いまのご時世、テキストと音声によるビジネスモデルは成り立たない。
これが、アルク側の言いたいことではないか?
どっこい、NHKラジオ英語シリーズは、旧態モデルとされる「テキストと音声」による市場で、しぶとく生き抜いている。
私も「アルク通信教材」をやり終えても、なお、日々の英語力の維持と勉強の継続のため、「NHKラジオビジネス英語」を利用している。
さすがに、かつてのような別売カセットテープやCDなどは、鳴りを潜めたが、一方、スマホがあれば「聞き逃しストリーミングサービス」などもあって重宝している。
要するに、工夫次第で、いくらでも「マーケット」を広げることができる。
アルク教材を「日々の勉強の主軸」に据えて、WEB上で何度もススメてきた者にとって、「アルクの英断」は失望させられた。
私も、歴史も実績もある「アルク」だからこそ信頼したのである。
安易に休止などとせず、もっと改良する手立てはいくらでもあったのではないか?
3.「ENGLISH JOURNAL休刊」に思う、アルクに何があったのか?
アルクが通信教育から撤退した。
軌を一にして、同社が発行する英語教育雑誌「.ENGLISH JOURNAL」が休刊した。
「紙の定期物観光として維持が困難」が休刊の理由であった。
通信教材と定期雑誌の休止。
これは、一体、「アルク」に何かあったのではないかと勘繰りたくなる。
信頼こそ第一の「教育サービス」において、「アルクのブランド力」にお金と時間を費やしてきた者への失望感をどう感じているのだろうか?
単にビジネスと割り切って、「儲からないから止める」で済まされるものだろうか?
もっといえば、こういう姿勢で教育商材を扱う資格があるのだろうか?
つい、厳しいことのひとつでも言いたくなってしまう…。
4.まとめ(アルク通信教材をススメてきた者としてのお詫び)
40代半ばでTOEICスコアが400点台だった私が、48歳で760点まで爆上げしたのは、「アルク通信講座」のおかげであったと今でも信じている。
だからこそ、「スタサプ」が市場を席捲しようが、「良いものは良い」というスタンスで、応援してきた。
今回の「通信講座サービス」の終了は、一抹の寂しさを感じる。
アルク亡き後、私がススメる教材は、「NHKラジオ英語」シリーズである。
AMラジオ、カセット、CD、ネットラジオ、そしてストリーミング。
ディバイスが変われども、ちゃんとしぶとく継続している。
勉強は、「継続」こそが命である。
だからこそ、アルクにも「継続」してもらいたかったと思っている。