【通関士】モチベーションの保ち方

通関士試験合格を目指す人にとって、どういう心がけが必要であろうか。
資格勉強には、たゆまぬ努力と粘り強さが必要である。
そこで、今回は、通関士の特色を紹介し、合格を目指す人や合格した人に対して、参考となるモチベーションの保ち方を紹介していく。

 1.独立・転職事情
通関士が、弁護士、税理士、社労士といった他の士業とは違うところは、独立。開業、起業には、向かないという特色がある。
貿易ビジネスは規模が大きいため、個人が独立するには、不利な点がある。
もちろん、こうした洗礼を打破するため、ブルーオーシャンとして新規参入することも夢ではない。ただし、現実的には、アナタが通関士を目指すなら、物流、倉庫、商社、メーカーといったなんらからの企業に勤めて、そこに「企業内通関士」として、他の社員さんから一目置かれる存在を目指したほうがいいのは現実的である。
裏を返せば、独立思考の強い人にとっては、他の士業資格に比べて、やや不利な点があることは否めない。
むしろ、「海で働くのが好き」「空で働くのが好き」という漠然とした貿易業界への憧れのイメージを持つ方の方が、通関士試験の勉強を継続する動機づけが強いと思う。
国境を越えたEコマース(電子商取引)は、隆盛を極めて、グローバル社会もなお一層進展することが予想されるので、その一翼を担う通関士は、今後も企業内外で重宝させることは間違いなさそうである。
転職事情に関しては、実は、私自身、30年齢、転職とは無縁の腹炊き方をしてきたので、リアルな感想は持ちえないものの、業界を見渡すと、通関士の資格を武器に、転職に踏み切る人がいるもの事実である。
通関士を持っていれば、転職に有利になるかといえば、明確に肯定できるものではないが、「私は通関士試験を持っているので、こんな会社、いつでも辞めてやる」というメンタルを持つだけでも、自分の会社に「嫌気」が指した場合、腹をくくる覚悟や、新たな一歩を踏み出す背中を後押ししてくれるだろう。

 2.資格の相乗効果
厳しいことを言うようだが、通関士になりえしたら、安泰である、という時代ではないようだ。
通関士試験を頑張ったように、勉強する姿勢はいつまでも持ち続けたい。
通関士合格だけでもアドバンテージがあるので、さらに、もうひとつくらい、資格をチャレンジして、「通関士プラスアルファ」のスキルの掛け算をしよう。
通関士の次におススメな資格、というより、貿易に従事する人にとって、必ず押さえておかなければいけない資格は、TOEIC L&Rテストである。スコアでいえば、できれば730点以上、最低でも600点以上は欲しいところである。
通関士のお仕事自体は、英語を母国語とする外国人の方と日常的に会話をする機会は稀有であるものの、仕事で使う通関書類はほとんど英語で書かれているため、デフォルト(仕事をするための初期値)として、TOEIC試験は押さえておきたい。
「英語が苦手だから通関士で勝負する」のではなく、「通関士に合格したから、英語も磨きをかえよう」というマインドをぜひ持ってもらたいたい。
英語資格では、英検をはじめ、数々の資格があるものの、社会人にとっては、やはりTOEIC対策をしておいて損はない。
仮りに貿易の仕事が嫌になったとしても、TGOEICではれば、汎用性が高いので、転職や新規ビジネスには有利に働くことである。
英語関連以外では、パソコンスキルも必須なので、MOS(マイクロソフト・スペシャリスト試験)のエクセルとワード、簿記の知識も多少あると有利なので、日商簿記3級、さらには、通関士が対税関手続きを網羅したものであるので、広く貿易手続の流れを勉強したいのであれば、「貿易実務検定C集」なども、通関士と合わせて、持っておいて損はないおススメ資格である。
多種多様な資格によって勉強習慣のクセを持ってもらいたいが、(個人差があるにせよ)なかなか上達できない英語(TOEIC)に挑戦するのが、通関士試験合格の「次の一手」として、いちばんのおススメである。

 3.「紙の新聞」の効用
苦労して合格した通関士試験。
しかし、当面、通関のお仕事とは関係ない部署に配属されたり、働くことになったら、いかにして通関士能力の維持に努めることができるか。
もっとも手軽な方法は、新聞(紙の新聞)を読むこと。
難しい貿易背景をわかりやすく解説している日経新聞が得におススメである。
インターネットで手軽に無料ニュースが手に入るこのご時世。
あえて身銭を切り、紙の新聞を購読してみよう。
紙の新聞のよいところは、記事全体を俯瞰して読めること。要するに、自分好みにカスタマイズされた記事意外の「ノイズ」が飛び込んでくる。
これがけっこうバカにならない。
私も、以前、電子版に切り替えてみたものの、やはりタブレット画面で読む新聞と実際に紙で読む新聞とは、読みやすさが異なる。
通関士の必携となる貿易動向については、一見すると関係のない記事が、結びつく瞬間がある。(風が踏めば桶屋が儲かるという具合に…)
貿易記事に関しては、一般紙よりも経済紙の方が群を抜いている。
ちなみに私は、日経新聞の他、英字新聞のジャパン・ニュースも併読している。
これは、貿易の仕事にとって欠かせない「英語知識」の見識を広めることと、学習効果を狙ってのことである。
英字新聞も「電子版」や「ネット記事」よりも、紙の新聞で読むことのほうが、読みやすく、かゆいところに手が届く(自分の求めている記事)を入手しやすい。
経済新聞や英字新聞を日常的に触れ合うことで、通関士としての背景知識の維持に努めよう。

 4.まとめ(貿易のエキスパート)
通関士試験は、情報も少なく、ややマニアックな資格である。
それでも、貿易のエキスパートしての国家資格である。
いったん取得を決意したら、最後まであきらめず、勉強を継続していきたい。
けれども、どうしても好きになれないとあれば、一種のあきらめも必要である。
特に、貿易業界に身を置くわけでもなく、独学で合格しようとする方にとっては、何から手を付けていいかわからないのが実態であろう。
「独立や転職を考えている人」にとっては、通関士は「独立」は、やや難しい点があるものの、「転職」は、業種によっては有利に展開すること。
通関士を目指すのであれば、TOEICなど他の資格を兼ね備えて、自分の強味を活かし、勉強する習慣を続けること。
資格勉強だけでなく、経済新聞や英字新聞に関心をもち、世の中の潮流から貿易や通関の視点を読み解くこと。
以上の点が、試験合格を目指す人、そして、合格してからも必要不可欠なマインド保持の気付きである。

タイトルとURLをコピーしました