【通関士】頼れる貿易資格・通関士への招待

輸出入手続きの登竜門
グローバルな時代の今だからこそ「通関士」の資格は持っておきたい。
もちろん、弁護士や税理士とは違い、通関士に合格したからといって「独立・開業」するのは難しい。けれども、一目を置かれる資格であることは間違いない。
通関士を取ることのメリットして、
・越境ECブームを主導できる
・貿易立国・日本を支える
・起業の夢に近づく
という点が挙げられる。
どちらかといえば、マイナーな資格である「通関士」。その分、きちんと対策をとれば、独学でも取得可能である。
通関士を目指して、なりたい自分に近づこう。
ここでは、以下の通関士のメリットを深堀りしていきたい。

1.越境ECブームを先取り
ECとはEコマース(電子商取引)の略である。
従来の商社を介しての石油・穀物の輸入、工場設備・自動車の輸出といった商業ベースによる貿易に対して、越境ECとは、インターネット環境での、買物感覚で輸出入ができること。アマゾン、eBayなどのプラットフォーマーが有名である。
時代は、商社の大口取引から、企業・個人ベースの小口取引(越境EC)に軸足が移りつつある。しかし、越境ECをさばくだけの人材が足りていないのも事実である。
そこで、そもそも「輸入貨物とは何ぞや」「輸出貨物とは何ぞや」という輸出入の知識が必要になる。通関士はそうした輸出入のしくみを資格化したものである。
輸出入手続きは「通関手続き」と呼ばれるので、それを担うプロの人材が、通関士となる。輸入者、輸出者に代わり、税関へ輸出入申告を行う。当然、輸出入申告に伴う諸手続きにも関わることになる。
越境ECの浸透によって、貨物が小口化している。小口化するということは、そもそもがプレーヤーが多くなり、慢性的な「通関のプロ」が足りない状態である。
そこへ、「通関士」の有資格は、入り込む余地がある。
グローバル社会が進む「越境EC」が隆盛を極める今だからこそ、通関士は必要不可欠な資格である。

2.貿易立国・日本を知る
通関士の勉強をするということは、貿易や為替を学ぶということにもなる。
特に、ニュースで報道される「円高・円安」とは、いったい何か?
「1ドル100円が、105円に上がることを円安という」
「1ドル100円が、95円に下がることを円高という」
どうも言葉が逆じゃね?!と、思うのは、一般的な感覚ではないだろうか。
私自身、貿易や為替がわかりにくいと感じるのは、「円高」「円安」という言葉が持つ響きと、実際の値動きが逆だと感じることにある。
円の価値がうんぬん、という話ではない。
言葉は感覚的な問題なのである。
通関士を学ぶことで、貿易をとりまくニュースに関心が行く。
そこでは、円高・円安といった為替をはじめ、貿易統計や市況の話、更には、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やWTO(世界貿易機構)いった難解な時事問題にも、勉強を通して身に付くことになる。
だから通関士を学ぶことは、貿易立国・日本を良く知ることになる。
そのためには、机に向かい、参考書や問題集で試験対策のみならず、新聞を読んで、時事ニュース(貿易ネタ)に敏感になろう。
通関士の問題は、貿易や通関に携わっていない人には、イメージがしにくいことがある。日々のニュースに触れることが大切。
(貿易や国際ビジネス報道では、情報量で他社を圧倒する日経新聞がおすすめです)

3.輸出入で起業する
通関士試験に合格したからといって、即・通関業者を開業できるわけではない。
(もちろん、今の時代、社会の要請はスピード感が大事なので、あえて、通関業者を立ち上げることも悪くない考えかもしれない)
ただし、弁護士や税理士に比べて「独立開業」という面では、通関士は難しいというもの事実である。
宅建士が不動産業界で重宝されるように、通関士は、通関業者(おそらく通関士はノドから手が出るほど欲しいはず)、フォワダー、商社、物流、メーカーなど業種を問わず、広くニーズが高いと言える。組織の中で、いかんなく通関業務を発揮するのもいいけれど、その際、将来の夢として、自分で越境ECを立ち上げる、というのもいいかもしれない。
個人で輸出入ビジネスを行う際、ネックとなるのが通関手続きである。
クーリエ(国際宅配業者)やEMS(国際スピード郵便)を活用するにせよ、やはり、通関を知っていると知っていないとでは、ビジネス面からいったら大違い。
将来的には、個人輸出入に関わる起業をしたいという人に通関士はおすすめの資格のひとつ。
もちろん会社に努めながら、副業として、貿易に携わるのもいいかもしれない。
アマゾンで輸入して、メルカルで売るとか、逆に、ヤフオクで買って、Eベイで輸出するとか、そんな、いわゆる「国際せどらー」として、お小遣いを稼ぐのも、これからの時代は、必須なスキルのひとつかもしれない。
自分の関わった「個人貨物」「小口貨物」が、水際でトラブルになった場合、通関士としての知識が役立つことは、大いにあり得ることである。

4.まとめ(通関士で夢をつかむ)
通関士を目指すにあたって、考えられるメリットを挙げてみた。
繰り返すと、
・越境ECブームに乗る
・貿易立国・日本を知る
・輸出入副業起業の夢を持つ
この三点に集約される。
そして、通関士の「何より」のメリットは、そのユニークな存在である。
TOEICをはじめとする英語資格はメジャーだが、通関士は比較的マイナーである。
メジャーを単独で目指すのもいいけれども、競争過多になりがちである。
そんなときは、TOEIC満点やハイスコアをアピールするのもいいけれども、そこそこのTOEICスコアだけれども、あわせて通関士も持っている、ということは、就職、転職に有利に働くことは夢ではない。そして、副業、独立、起業、という夢へ広がる。
通関士は、そんな夢を実現するためのパスポートである。

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