クリエイターになるには、マックじゃないとダメですか?
事務的仕事にはウインドウズ、クリエイターにはマックが向いているといいます。
しかし、仕事で使うウィンドウズのMS基本ソフト(エクセル、ワード、パワーポイント)でも、十分にクリエイトな活動ができます。
やはり、趣味と実益が似合うことが大事。パソコンのスキルアップのためにも、仕事だけでなく「趣味の領域」にも、MSソフトを生かしたいものです。
モノを書くことが好きな人には、ウィンドウズ系基本ソフトの「ワード」「エクセル」「パワポ」がおススメです。特に、公募や文学賞などでは、ワードが投稿基準になるので、執筆活動の基軸を「ワード」に据えることをおススメします。
そのためにも、「ワード」と親和性のある「エクセル」「パワポ」を使って、創作活動(文芸活動)の具体的な構築方法をアドバイスしていきます。
1.エクセルで名鑑づくり
文芸創作活動を行う人は、決めなくてはいけないのは「主人公」と、とりまく「登場人物」の設定です。
まずは、主人公をはじめとする、主要登場人物の「名鑑」をエクセルで作成しましょう。イメージとしては、私が活用しているのは、ケイブンシャから出ている「全怪獣怪人大百科」有名人であれ、身近な人であれ、モデルとなる人がいれば、かならず、その写真を入手しましょう。(もちろんプライバシーや著作権にかかわる話なので、こうした名鑑を使うことは、作者自身の基礎資料に届けましょう。決して「公(おおやけ)」にしてはいけません。
自分の主人公に据えたい人物(もちろん作者自身でも構いません)写メで撮り、JPEGファイルにしたものを、ウィンドウズ付属のペイントで、コピペして、エクセル名鑑の写真に張りつけましょう。
エクセルのシート1には、写真とキャラクター名を整理しましょう。番号、写真、キャラクター名、そして備考欄を設定しておきます。備考欄には、物語の肉付けになるような、ちょっとしたコメント、履歴などを書き込んでいくと良いでしょう。
シート2では、キャラクターと「キャスト」の一覧表をしておきます。ここでの一覧表とは、映画のエンドロールに出てくるクレジットをイメージしてください。
さすがに、有名人や実在する人物を、そのまま小説で発表するわけにはいきません。
本編(執筆原稿)で、一括変換するためにも、キャラクター(小説に出てくる名前)、とキャスト(モデルとなる人物)の関係をはっきりさせておきましょう。
キャラクターを深堀りするために「履歴書」の作成も必要になるかもしれません。さずがに、登場人物すべての「履歴書」は必要ないので、主人公と取り巻きの主要キャラクターのみの「履歴書」(備考欄には収まりきれないような、人なりのコメントやエピソード、背景などを書き込んでいくシート)を、シートとして「名鑑エクセル」に増やしていきましょう。
2.パワポでチャート作成
小説や物語づくりにとって、肝となるのが「チャート」です。
チャートとは、人物相関図と考えてもらえればいいでしょう。
主人公を軸に、主要キャラクターをパワポ上に配置して、それぞれ、愛情や対立の「構図」を作り上げていきましょう。
このとき、役に立つのは、エクセルで作成した「名鑑」です。
名鑑の写真をコピペしてパワポのスライドにエントリーさせましょう。
何人ものキャラクター写真が集まれば、一応、チャート図が完成です。
あとは、矢印や配置、位置の関係、さらにはコメントなどがあれば書き込み(パワポ上にコメントを書くのは、図がごちゃごちゃしているので、おススメしません。)
書きたいことがあれば、エクセルの「名鑑」に書いていきましょう。
チャートが完成すると、なかなか見えてこなかった物語の「骨格」が現れます。
また、構想段階では、見えなかった作者としての「盲点」を気づくこともあります。
チャートを眺めるだけで、物語の細部のアイディアが湧いてきます。
完成したチャート(スライド)は、ぜひ、紙に印刷しましょう。パソコン画面では、気づかなかったことを、実際に紙として見ていくならば、違った気づきがあります。
3.ワードで時系列表
名鑑とチャートがあれば、すぐにでも、執筆を行っても大丈夫です。
執筆には、数多くの文学賞や出版業界が基準として使っている「ワード」を活用しましょう。ワードにも、特有のクセがあるので、慣れるようにしましょう。また、どうしてもワードが嫌いな場合、テキストファイルにいったん書いて、それを「規定ワード」にコピペするやり方もありかもしれません。
私の場合、時系列表をワードでつくっています。
時系列表とは、日記みたいなもので、物語のはじまりから、クライマックスまで、何があったのか、時系列でコメントしておくこと。この手の日記については、エクセルかワードかで迷うところでもありますが、私は、長年の経験から「ワード」にしています。ワードでも検索できますし、何より、時系列は、物語の出来事を「文書で俯瞰する」(読み返す)ことが多くあり、エクセルでは、コメントや出来事のボリューム毎にセルがことなってしまうため、セルに縛れないワードを活用しています。
4。まとめ
いくら文才に秀でるからといって、いきなりパソコンの原稿用紙で、物語を書き始めるのは、得策ではありません。
やはり、建築を始める前には、設計図と材料集めが必要なように、文芸(創作)活動も、執筆にいたるまでの「下準備」が大切です。
クリエイティブな環境のためには、ウィンドウズ系は「不利」だと思うこともありましたが、いまでは、エクセル、パワポ、ワードで十分だと思っています。
しかも、趣味ではじめた「パソコンを使った創作活動」は、実際の仕事でも、そのホウハウが生きることがあります。組織は人なり、仕事も人なり。仕事には、人間関係が重視されます。事態がこじれるような厄介な問題が起きると、私は、「名鑑」「チャート」「時系列」を作成して、これをひとつの案件フォルダに格納しています。
かつて、私の上司は、迷ったときは、紙に書き出してみろ、と忠告していただきました。さながら、今は、パソコンを使います。(もちろん、ラフなイメージは、いまでも手書きで整えてから、実際にパソコンで整理します)
エクセル、ワード、パワポを仕事だけなく、クリエイティブな趣味活動でも使うことことで、趣味と実益を兼ねましょう。