お金の不安は尽きない
不安を解消するには、不安の正体を知ることが先決。
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)3級資格は、お金にまつわる不安を解消してくれる「資格」である。
たとえば、住む場所を「持ち家にするか、賃貸にするか」とか、実家の相続、贈与といった「終活」や「将来への備え」、家計の見直しによる支出のダウンサイジングなど、お金にまつわる不安の呪縛から解放してくれる資格である。
特に、不動産ビジネスにかかわっている人、興味がある人には、「宅建士」とともに、「FP3級」を持っていれば、鬼に金棒。
お金の不安を解消するばかりではなく、ついつい他人にもおせっかいを焼きたくなる、楽しい資格である。
お金の不安の正体は、支出にある。
これをきちんと計画立てていれば、それほど怖くない。
特に三大支出といわれる「住宅・教育・老後」について、FPの勉強をすることで、きちんと整理しておこう。
1.持ち家派?賃貸派?
住宅に関しては、「持ち家」にせよ「賃貸」にせよ、その人それぞれ。どっちが得かばかりを考えるのではなく、納得のいくライフプランを考えた方がいい。
住宅のリスク(離婚のリスクも踏まえて)も、きちんと把握しておこう。
特に、所帯持ちは、「持ち家」なのか、「賃貸」なのか、定期的にパートナーと話し合っておこう。どちらがいいというわけではく、生き方にある。
ちなみに、私は「持ち家派」。
名著「バビロン大富豪の教え」にある「住まいを我が物とせよ」という訓示があるが、持ち家に対する私のスタンスもそれに近い。
住宅ローンは払い終えれば、家計にゆとりが生まれる。
その「ゆとり」こそ、何物にも代えがたいと思うから…。
持ち家(分譲)派だろうと、賃貸派だろうと、生きている以上、どこかに「済まなくては」いけない。それは、賃貸料金がもったいないという目先の支出だけではなく、住宅を持つことで、誇りや自信が生まれることを重視している。
こだわったのは、眺望、24時間ゴミ出し、ネット環境…。
自宅マンションを購入して10年以上になるが、まさか「ウィズ・コロナ」の世の中になって、在宅勤務やリモート環境が重視される時代がやってくるとは思わなかった。
身の丈にあった買物ではなかったが「住宅選び」に関しては、後悔はない。
何がいいたいかといえば、FP3級の資格を持つことで、住宅ローンや団信保険などのしくみや手続きに明るくなることで、住まい選びが楽しくなること。
いっときの思い込みに流されず、自分たちらしいライフスタイルを選べることができることができる。住宅ローンを抱えている人は、年末調整での「住宅ローン控除」などの精度を知ることで、マネーリテラシーがつくこともお忘れなく。
2.教育にカネを惜しむな?
子供を持つ家庭にとって「教育費」の捻出は頭の痛いところである。
子供たちの学びの意欲を、お金が原因で断つことは避けたいところ。
子供への教育費(とくに、習い事)は、浪費ではない。
リスクとリターンの境界線をどう見極めるか?
この意味で、子供にかける教育資金は「投資」と言える。
大切なのは、子供の「ヤル気」であろう。
ピアノ教室にせよ、体操クラブにせよ、学習塾にせよ、子供が、本当にやりたいと思っているかどうか、子供の視点で考えよう。
そして、教育費は、メリハリが必要であると考える。
(この意味で、習い事や学習塾の無料体験講座というのは、ぜひ利用してみたい。子供の気持ちは敏感なので、しっくりくるものとこないものがわかるので…)
そりゃあ、教育にお金をかけたい、けれども「先立つモノ」がないんだから仕方ないよ。
そう思う人は、まずは、教育費を捻出するだけの家計のやり繰りを考えよう。
専業主婦の奥さんが、パートに出るも良し。
通信費や保険料を見直して、ムダな支出を教育費に回そう。
両親が健在ならば「教育資金贈与制度」を利用して、教育費のやりくりをしよう。
(教育資金贈与は、支払いの都度、払い出し申請が面倒だが、最近、大手信託銀行系では、申請アプリが充実しているので、払い出しがとても便利になった。こういう手間を惜しんではならない。暦年贈与も侮ってはいけない。こういう制度があるのは、FPの勉強をすることで、改めて、発見がある。親のスネは、かじれるだけかじりましょう)
そして、教育費といえば、子供だけでなく、自分への教育費も考えておくべきこと。これは、「老後資金」への備えの布石にもなってくる。
3.豊かな老後を送りたい
老後資金は、住宅、教育と共に、人生の三大支出である。
厄介なのは、自分やパートナーが「いつ死ぬのか」わからないこと。
だからといって、やたらめったら生命保険に入っている人はいませんか?
死ぬリスクは常に考えておくべきだけれど、それに縛られてはいけません。
私の場合、子供が2人いるので、ざっくり言って、ひとり1千万円あれば、なんとかなるかな?として、会社のグループ保険に死亡受取金2000万円コースを選んでいる。
それ以上に保険は、ほとんど見直した。(クルマやバイクの保険だけは、対人、対物無制限としている)
日本の公的医療保険制度は(今のところ)しっかりしているので、あれもこれも民間の医療保険に入らなくてもいい。
そして、定年後、年金生活についてイメージする。
具体的には、現役世代から「ねんきん定期便」をチェックするクセをつけて、年金制度に明るくなること。
幸い、FP試験では、各種保険や年金制度について勉強することになるので、老後資金問題について、早くから「気づき」が生まれる。
そして、たとえば、将来、年金だけでは「夫婦で月額4万円の生活費が足りない」ということであれば、今から、その準備、具体的は、自分の強みを生かして、ひとり月2万円程度の収益を得ることを考えておこう。
備えあれば憂いなし。
悠々自適な老後の生活とはいかないまでも、なんとか、明るく楽しくやっていく生活はイメージできるのではないだろうか?
ちなみに、豊かな老後を送るには、お金だけではだめ。健康が第一であることはいうまでもありません…。
4.まとめ(勉強より大切なこと)
人間が生きていく以上、不安を感じるのは致し方ないこと。
けれども「不安だ、不安だ」といったところでキリがない。
不安が不幸を呼び、周りを不快にさせるばかり…。
FPの勉強をすることで、お金の不安に対処していきましょう。
心配性な方には、勉強することがうってつけ。
けれども、忘れないで欲しいのは、過度な勉強シフトは、自分の殻に閉じこもり、家族を不幸にさせることがある。
健全な家族生活なくして、家計の健全化はありえません。
時には、テキストと問題集を手放し、家族に向き合うことも大切です。