「スキマ時間を制する者は英語資格を制す」
英検やTOEIC受験に際して、いつ、どこでも勉強できる環境づくりは大切である。
特に、時間に制約のある社会人にとっては「勉強時間の捻出」が課題となる。
そこで、通勤時間にも勉強を当ててみよう。
朝カフェで勉強することを「カフェ勉」というならば、電車(鉄道)内で勉強することを「鉄勉」と定義しよう。
鉄勉の習慣化のコツは、
・乗り換えを少なく
・立ち席、座り席で「やること」を決める
・眠いときに眠るのも「勉強のウチ」
この三つのポイントを深堀りしていこう。
1.乗り換えを少なく
「鉄勉」をやるなら「乗り換えルート」に徹底的にこだわろう。
「所要時間が短い」とか「着実に座れる」といった通勤経路においては、いろいろな優先順位があるだろう。
もしも電車内で勉強したいのなら、乗り換えが少ないルートを選ぶのがコツとなる。
勉強は「リズム」や「テンポ」が大切なので、短時間で「乗り換え」を繰り返しては、こうした習慣が崩れやすい。
交通案内アプリなので調べるなら、多少、時間がかかっても「乗り換えが少ないルート」を選んだ方がいい。
そして、軸となるメインルートがあった方がいい。
同じ1時間の通勤時間でも、20分乗車を三回繰り返すよりも、10分・40分・10分といった、短・長・短と繰り返すほうが勉強が身に着く。当然、この例では、勉強のハイライトは、中盤の40分。人間の集中力は45分しか続かないというので、スキマ時間とはいえ、主軸と副軸がはっきりしている経路を選ぼう。
2.立ち席と座り席
通勤電車で勉強するとなると、どうしても「座れる電車」を選びたいのは致し方ない。
けれども、毎朝・毎夕に、座席確保をめぐる「イス取りゲーム」に興じるのは、いただけない。
なにしろ、電車で「座る」ことが当たり前になってしまうと、席が埋まって「立たなければならない」場合、ストレスを感じてしまうからである。
また、お年寄り、身体の不自由な方、妊婦さんなどに「座席」を譲るのは、人として当然の行いである。
だから「鉄勉」は「着席」にこだわらないで欲しい。
要するに「立ち席」の場合と「座り席」の場合とで、勉強メニューを変えてみよう。
問題なのは、「立ち席」の場合である。
シートに座れるのならば、カバンを「机代わり」にして、英検やTOEICの問題集を解いたり、参考書を活用したりと、自宅での勉強と遜色ない。
一方、電車で立つ場合、何をやったらいいのか、とことん考え抜いてもらいたい。
私の場合、朝は立つことが多いので、リスニングを中心にやっている。
イヤフォンから聞こえてくるNHKワールドニュース(英語ニュース)を聞く。
電車で立つ場合は、やはり、耳からの学習(聴く勉強)が良いようである。
更に、英検が近ければ「パス単」、TOEICが近ければ「金フレ」というように、携帯サイズの単語集で、英単語の勉強を行う。
・「パス単」(英検〇級でる順パス単/旺文社)
・「金フレ」(TOEIC L&R TEST出る単特急 金のフレーズ/朝日新聞出版)
この2冊のうち、どちらか一冊(ご自身の受験目的でチョイスしよう)は、かさばらず、通勤のみならず、出かけるときは、必ず携帯するクセをつけておこう。
私も、何時も「パス単」か「金フレ」をカバンに忍ばせている。
いつも持ち歩いているのだが、開かない(読まない)ことが多い。
けれども、「時間保険」のため常に携帯している。
たとえば、電車が立ち往生した場合、「パス単」「金フレ」を活用する心構えでいる。
立ち席の場合は、「やる事」だけでなく、勉強グッズにもこだわってほしい。
今、注目しているのは、首から下げる「クリップボード」である。
特に、A4サイズの「横向き」のクリップボード。
これならば、立ったままでも作業机に早変わり。
満員スシ済め状態で、電車内で使うにはヒンシュクを買うが、電車に余裕があるのならば、「机がなければ勉強できない」という輩は、一度、試してみる価値がありそうだ。
3.眠いときは眠ろう
「電車で座ってしまうと、つい寝てしまって勉強どころではない」
こうした声を聴くことがある。
座ってしまうと寝ちゃうので、あえて(座席が空いていても)立つ者もいるという。
通勤電車で眠れるというのは「疲れている」証拠である。
電車内での勉強を提唱している私だが、眠くなったら寝て構わないと思う。
いや、もっといえば「眠るのも勉強のウチ」と割り切った方がいい。
勉強には、安息が第一である。
自宅で勉強し、職場で働く。
通勤電車は、自宅と職場の「境界線」である。
悔いのないように自宅で勉強するために、電車内は、あえて「憩いのひととき」として、座ったら眠る。
立っていても、あえて何もせず、(しいていえば、車窓や広告、乗客の様子を眺めるといった)ボーッと過ごすことも多い。
これが、リラックスとリフレッシュ効果を生むようである。
時間は有限だからといって、欲張ってはいけない。
せめて「通勤電車」は、あえて「安息時間」として確保してもいい。
4.最期に…
鉄勉(電車で勉強)を述べてきたが、もちろん電車に限らない。
バス勉もあってしかるべき。
ただし、マイカー通勤の場合は、話は別。
どうしてもマイカーでないと通勤できないというであれば、致し方ない。
しかしながら、電車やバスといった「公共交通機関」で通勤可能であれば、そちらに切り替えた方が良さそうだ。
余談になるが、着席にこだわりたいのなら「グリーン車を選ぶ」という選択肢もある。
「グリーン車」は、地域こそ限られてしまうのだが、「場所と時間をお金で買う」という発想も悪くない。
ただし、私は、グリーン車の通勤は好きではない。
根っからの貧乏性というか、小市民的発想が染みついて、(自分の身の丈に合わない)グリーン車を奮発しても、落ち着かないのである。
もちろん、毎回グリーン車では「財布に厳しい」というお金の事情がある。
時間や場所にこだわると共に、なるべく安くすませるに越したことがない「経済性」も、勉強の習慣化につながることになる、
通勤電車で英語の勉強するコツ(鉄勉)をまとめると、
・乗り換えを少なくして「黄金の45分」の確保に努める
・着席にこだわらず、立ち席の場合のやることを決める
・眠いときには眠る(寝るのも勉強のウチ)
ということになる。
限られた条件の中で、自分自身の工夫(カスタマイズ)こそ、大切である。
たかが通勤時間、されど通勤時間である。
せっかく勉強をするならば、、肩を張らずにとことん楽しもう。