「英語ではなく英会話の勉強がしたい」
あるシニアの方がそんなことを言った。
要するに、受験英語とか資格英語とか、そういうたぐいの勉強をしたいのではなく、コミュニケーション主体の「楽しい学び」がやりたいという。
その気持ちは、痛いほどわかる。
かつて自分もそうだったから。
でも、考えてみれば、おかしな話である。
「日本語ではなく、日本会話をやりたい」
そんなトンチンカンなこと言っているのに等しいから。
英語を楽しめるようになるには、やはり、英語の基礎力を身に着けたい。
そのためには、手っ取り早く「英検3級」を取ってしまおう。
１．英検３級への招待
何をもって英語ができる人といえるのか？
一応、TOEIC600点、英検２級くらいのレベルから、英語が面白くなってくる。
だから、シニア世代のやり直し英語の人は、「TOEIC60０点」または「英検2級」の取得といった「中級レベル」を目指すことをススメたい。
中級レベルに手を届かない人は、いきなりTOEICテストに挑戦するのはやめよう。
TOEICの場合、初級者も上級者も同じテスト（土俵）で勝負しなければいけない。
まったく歯が立たなくて、英語に嫌悪感を持ってしまう。
せっかく英語を勉強したいという「純粋な気持ち」を萎えてしまうのはもったいない。
まずは、手堅く「英検3級」からはじめてみよう。
英検3級を取得するためにすること。
まずは、申し込んで、試験を受けること。
これが結構、勇気のいることである。
なにしろ「いまさら英検3級なんて…」という葛藤が生まれるから。
でも、英検３級をクリアしないことには、その先にある「英検準２級・２級」やTOEIC600点以上の「中級者への道」は難しい。
英検3級レベルでないうちから、やれ外国人との英語を使ったコミュニケーションだの、英字新聞だの、洋書だの、字幕無しで洋画を観ることだの、洋楽カラオケだの…。
そんなことは不可能だからである。
かつての自分の過ちを踏まえていえば、趣味で楽しむ英語でも、一応、英検3級以上のオーソライズされた一定の能力は必要不可欠であるので。
おとなのやり直し英語について、やるべきことは次の三つ。
・パス単
・過去問題集
・NHKラジオ基礎英語
これさえやりこなせは、きっと英検3級と「勉強習慣」が身につくことであろう。
２．パス単（語い力アップ）
英検対策の単語集は、いくつも販売されている。
私は、旺文社の「英検3級でる順パス単」をおススメしたい。
これは、多くの英検受験者に愛用されているから。
広く愛されているということは、それだけ良質な改訂がなされているということ。
更に「パス単」は、副教材として「書き覚えノート」が別売りで用意されていること。
書いて覚える派にとっては、この「書き覚えノート」が重宝する。
写経ではないけれど、毎日、１ユニットをやることによって、語いの勉強の蓄積が図れる。これは、勉強の充実感がある。
通勤時間や休憩時間など「スキマ時間」は、ハンディサイズの「パス単」を愛用し、朝や夜の２０分、机に向かって、英単熟語の「書き覚え」をしよう。
３．過去問題集
英検で勝利を収めるためには「過去問」は必須。
自動採点機能がある、旺文社の「全問題集」が他の過去問集を凌駕する。
「パス単」と「全問題集」があれば、合格への第一歩。
そんな旺文社の広告も、あながち嘘ではないだろう。
書き覚えノートを毎日20分、そして、スキマ時間に「パス単」をパラパラ見る。
休日は、2時間、全問題集を使って、本番さながら「フル摸試」に挑戦しよう。
朝の早いうちから「過去問」をやることによって、一日の前半に「勉強ノルマ」の達成感が醸成される。
だから、過去問フル摸試を片付けてしまおう。
それさえ済めば、その後の「お休み」は、充実した休日を過ごすことができる。
４．ＮＨＫラジオ英語
いったん英語の勉強をやると決めたら、「勉強しなくちゃ気持ちが悪い」という感じになるように、一日のサイクルに勉強習慣を組み入れよう。
おススメなのが、ＮＨＫラジオ英語シリーズ。
なにしろ、番組内容やテキストが良質で、かつ、安価である。
そして「定時制」、これに尽きる。
とにかくろ平日に、決まった時間、放送されるので、習慣化にはもってこい。
聴き逃しも休日にカバーできるし、いまではスマホのストリーミングサービスもあるので、時と場所を選ばない）
ＮＨＫラジオ英語シリーズも能力に合わせて、いろいろ設定されている。
自分の「身の丈」にあった教材で勉強をはじめよう。
５．まとめ
シニア世代のやり直し勉強、英語力に自信のない人は「英検3級」取得をめざそう。
・毎朝、「パス単書き覚えノート」で社計、スキマ時間で「パス単」熟読。
・平日、「ＮＨＫラジオ英語」で、英語を学ぶルーティンを身につける。
・休日、2時間の過去問題（フル摸試）をチャレンジして、本番に備える。
以上の三つをやることで、英検３級に合格しよう。
そして「勝利の歓喜」を経験したら、「英検準2級」「英検2級」、そして、「TOEIC600点」と、チャレンジしてみよう。
趣味の英語を活かすために、英検やTOEICといった「資格ゲーム」に参戦しよう！